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To Close..プチフリは過去の問題ではない。 2017年06月22日10時28分
最近のSSDユーザーには判らないことかも知れませんが・・・

SSDが流行始めた頃は、

最初は早いがだんだん遅くなる。
ある程度書込/削除を繰り返していくと、フリーズする

等の問題で大騒ぎになりました。

特にフリーズするのが数秒〜十数秒であることから、プチフリと呼ばれていました。

このプチフリも、だんだん遅くなるのも、原因は同じです。


SSDの書込速度が、「未使用領域」という、HDDとは違う状態の場所が必要だからです。


HDD上のデータというのは、

OSをインストールしたり、ワードなどのデータファイルを作成したりすると、その度に書き込まれていって・・・・
ファイルを消すと、そのファイルを消したというフラグをファイル名の一覧の所に書き込むわけです。

ファイルを消すという動作は、HDD上からデータを消すことにはならないのです。

なので、HDDにはファイルの修復ツールなるものが存在し、データ領域が別のファイルによって上書きされない限り、データの修復が可能だったわけです。

コレは、HDDが出来る前、フロッピーディスクなどを使用していた頃の名残です。
フロッピーディスク(FD)はその性質上、読み書きがとてつもなく遅いです。
ですから、必要なデータを読み込むのに時間が掛かるのは待つしか無いにしても、必要の無くなったデータを消すぐらいのために、長時間を掛けたくなかったのです。

結果として、「消した」というフラグを立てるだけになったわけです。

FDDもHDDがデータの上書きを行えるからこそ行える処置だと考えて良いです。
FDもHDDもデータの記録素材がが磁性体のため、電気信号で発生する磁場の1回の反応でデータを記録出来るのです。

それに対して、SSDにおける記録素材であるフラッシュメモリはそうは行きません。

フラッシュは一度全部消してからじゃないと書き込めません。それは、書き込むのが0か1のどちらかだけだからです。 これは実際に使われているフラッシュメモリに依存しますが、

一度消す→全て1にする
書き込む→データの0の所を反転させる。

(逆のもあります)

という動作をするからです。

だから一度消す必要があるのです。


また、HDDとSSDの根本的な違いがもう一つあります。


HDDは「セクタ」という単位で書き込むのに対しSSDは「ブロック」という単位で書き込みます。

HDDのセクタは、ファイルサイズより小さいものとされています。
ですから、1ファイルが複数のセクタに跨がるわけです。

また、最後のセクタは必然的にその一部しか利用していないことになりますが、その余った部分が他のファイルに再利用されることはありません。


SSDの「ブロック」はファイルサイズよりも大きいものとされています。
ですから、一つのブロックに複数のファイルが保存されるわけです。

もちろん大きな動画ファイルとかを保存すれば、その限りではありませんが?

SSDは書き込む際に一度リセットする都合上、
保存されているデータをDRAMに全て読み出し、書き込む該当の場所にDRAM上で書込、それをまとめてSSDの別の空いている場所へ保存します。


SSDはフラッシュメモリを利用している都合、同じ場所に何度も書き込むとそこの部分のフラッシュメモリだけ劣化が早くなり、他の場所を全然利用していないのにも拘わらず壊れてしまうからです。

だから、書き込む場所というのは、書込回数の少ない「空いている場所」を使うわけです。

では、この空いている場所というのは何処なのでしょうか??


ハッキリ言いましょうドライブ装置にとって何処の領域が「空いている場所」で何処の領域が「使っている場所」かは判りません。

ドライブ装置に書き込まれているデータは、論理データと言われる物で、OSが変わるだけで読めなくなります。
Windows同士だから、FAT32が読めるから、NTFSが読めるから、そう言った理由で、記録媒体上に並んだ0や1の並びを理解しているのです。

この理解する人が、コンピューターで動作中のOSだけであれば、コンピュータ上の1装置でしかないSSDやHDDには判らないのです。


単純に、ファイルを消すという動作は、先述の通り、ファイルを消したというフラグを立てるだけですし、
仮に、データ領域を全て0として書き込んだとしても、
それが全部0のデータがあるのか、使っていないから全部0なのかか判らないのです。


そこで、Windows 7あたりからTrimコマンドという物が作成されました。

これの正確な仕様は知りませんが、ファイルを消した時に発行され、
「このデータ領域はもう使っていません。」
というメッセージです。

SSDはこのデータが来るとその場所に「未使用領域」というフラグを立てます。
(もちろんデータの消去も行っておきます)

こうすることで、SSDはその未使用領域に対して即時書込が出来る様になります。

既存のデータを読み込んで、データを合成して、領域を初期化して、書き込む

そんな面倒なことをしなくて済むのです。


これによりSSDは速度低下を起こさない様にするのです。


また、trimコマンドの精度がどの程度か判りませんが、
trimだけでは不十分と考えているメーカーが多い様で
独自のメンテアプリが付いていることが多いです。

intelの場合はIntel SSD Toolbox
Samsunの場合はSamsung Magician

他のメーカーのは知りません。

これらは、週1回のペースでオプティマイズして未使用領域の整理することを推奨しています。


因みに、SSDは未使用領域を確保して、書込を早くするだけでなく、ウェアレベリングという動作も行っています。

書き込むときに未使用領域を用いることで、これだけでも、同じ場所に書き込むリスクが減りますが、
それとは別に一度書き込んだ後、二度と変更しない様なファイルも存在します。

この場合、このブロックの書込回数が1で、それ以上上がらないことになります。
もっとも劣化が少ない場所です。

ですので、ある程度読み書きが進んだ場所は、この変更の少ないデータのあるブロックを意図的に入れ替えます。

書込3000回数が限度のSSDの場合、3000回書き込むと即座に壊れ得ると言うことではありませんし、3000回以下なら壊れないと言うことを保証するほどでも無いと思いますが、
こういった回数に近付くと入れ替えるのでしょうか?

ウェアレベリングの正確なアルゴリズムはメーカーの極秘事項に当たると思いますので、まぁ、壊れにくくなるように動作しているって程度の考え方で構わないと思いますが、こういったことをすることで、劣化の防止や、同時に速度の維持にも役立っていると言うことです。


ところで、「ドライブ装置に書き込まれているデータは、OSにしか判らない」と言いながら、SSDの独自判断でブロックの入れ替えをして大丈夫なのでしょうか?
という、当然の疑問が出てくるかと思います。


その辺は、HDDのような低レベル(悪い意味ではない)な装置ではないので、SSDはブロックの割り当てが仮想化されています。

ようするにフラッシュメモリの先頭エリアがドライブ装置の先頭として扱われているとは限らな言う事です。

先の例で言うと、上書きするときに、データを抜き取って、合成して、新しいところに書き込むわけですから、新しいところを、元合った場所と同じ場所だと設定するわけです。

そうすることで、SSDの上ではデータがまばらに置かれていても、PCにとっては順番にデータが並んでいるように見えるわけです。

この配置の仮想化、ウェアレベリング、trimコマンド、
これら3つが揃って始めてSSDは有効的に動くのです。


ここまで長々とSSDの仕組みについて語ってきました。

アタシがSSDを購入した頃には既にこれらはOSにSSDドライブに、全体的にそれらが組み込まれ、プチフリなんて全く縁がありません。

しかし!!


アタシの知り合いが使っているパナソニックレッツノートSSDモデルはこのプチフリが常態化しています。
使い始めた当初こそ、早く動いて、動作中でも持ち歩けて便利(笑)という事だったのですが・・・・
数年経った頃から、使用中に数十秒動作停止することが多くなってきたようです。

大きいデータの書き込みの時は、30分以上止まるそうです。

コレまでにあらゆる面からPCの健康状態について調べましたが、やはりSSD以外は何の問題も無いようです。

それでも、主に書き込み時にフリーズすることが散見されるそうです。

結果、これはプチフリが起きていると言うことになりました。

メーカーとも何度か遣り取りをしたのですが、スキャンディスクをしてくれとか?
もちろんSSDでも電源が落ちれば、データに不備が発生する可能性はありますが、HDDじゃないんですから、基本的には必要ないんです。

そういったどうでも良い対処方法を言い続け、なかなかSSDがプチフリを起こして動作に支障が出ていると言うことを認めません。

Windowsですから、デバイスマネージャを見れば、SSDの型番とか判るんです。

それで調べればすぐに判ることなんです。

このレッツノートに採用されているSSDはとても古いもので、プチフリが騒ぎになった頃のモデルです。
おそらく、SSDを安く大量に仕入れるために、パナソニックは投げ売りされていたコレに飛びついたんでしょうね?

プチフリの発生頻度ははtrimコマンドに対応しているかどうかや書き込むアルゴリズムに依存します。
直すためには、コントローラその物を変更するか、ファームウェアのアップデートとかが必要になります。
古い機種ではファームウェアの更新も出来ないでしょうし、プチフリが発生しないように最適化されたアルゴリズムも未だ採用していないでしょう。

だから、プチフリ対策がされた新しい装置に変更するしかないんです。

もし、SSDが原因でってことが確定すれば、ドライブその物の欠陥ということになるわけですから、下手したら、”採用全機種リコール”とかになりかねないわけです。


因みに該当レッツノートに採用されているSSDについては(注:最近の機種は判らない)
話にならないぐらいダメな機種らしく、SSDモデルを買ったのに、SSDを載せ替えたとかそう言った記事を多数見つけられます。

SSDモデルを買う場合は、どのSSDを採用しているか確認する必要がありますよ??
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